2016年7月30日土曜日

鉄生産と神々

わが国の鉄の歴史②「古代の鉄と神々より」
2010年 12月 13日
真弓常忠「古代の鉄と神々」より

わたしはこの本を読んで、今までの自分のわずかな知識をつなぐ大きなヒントを得た。
それで要点をまとめて、書きとめておきたいと思う。
まとめ方は自分流に取捨選択しているし、氏の意図した事とは違うように解釈している
かもしれない。
だから、このペーは真弓常忠氏の「古代の鉄と神々」の正確な要約では無いことを断っ
ておく。

稲つくりと鉄
■縄文時代晩期に稲種がもたらされて、水稲耕作はわずか100年ほどの間に日本列島
のほぼ全域にいきわたった・
■水稲耕作を推し進めたのはなにか?
 それは鉄製農具か鉄製利器によって加工された木製のスキ・クワである。
■弥生時代の初期に鉄器が用いられたのは、いろいろな遺跡から鉄斧が発見されること
によって 証明されている。
 * しかしそれが製鉄のはじめからわが国で作られたものか、大陸から輸入されたもの
かは証明できない。
考古学者の山本博氏(「古代の製鉄」の作者、故人)によると
銅よりも鉄の方が溶融点は高いが、銅は溶解しなければ製品とすることが出来ないのに
対して、鉄は溶解しなくても、7~800度の熱度で可鍛鉄を得さえすれば、これを熱
してはたたき、熱してはたたいて鍛造できるという

このことは1912年にW・ゴーランドが指摘している。
それによると
*鉄鉱石から鉄を抽出する方法は、銅鉱から銅を抽出するより簡単である。
*鉄鉱石は溶解しなくとも、7~800度の熱度で可鍛鉄を得ることが出来る。
*鉄の抽出には、特定の送風装置を必要としない。
弥生式土器を焼成する程度の熱でよく、タタラ炉を築いて特殊な送風装置を設けなくて
も、野辺にて製錬することができたということであった。

露天タタラ
わが国は地下資源に乏しいが、火山が多いだけに砂鉄には恵まれていて、いたるところ
に砂鉄は存在する。

窪田蔵郎氏によると、
弥生時代には河原や海岸近くの台地、あるいは山あいの沢のような場所で、自然通風に
依存して天候のよい日を選び、燃料の薪の上に砂鉄を集積し、その上にさらに薪を積み
上げて何日も燃やし続け、海面状を呈したごく粗雑な還元鉄の塊を半焼けの金糞の中か
ら拾い出し、よさそうなものだけを再び火中に入れて加熱し、再三打ったりたたいたり
して、小さな鉄製品を作るという、きわめて原始的な方法で製鉄は おこなわれたであ
ろう。
弥生時代中期より古墳中期まで、このような原始的な方法による製鉄の行われていた事
が推測される。

わたしが理解した範囲でわが国の製鉄のながれを整理しよう。

①褐鉄鉱を採取して製鉄を行う。(弥生時代)・・・鉄鐸、銅鐸神事と関連あり
*褐鉄鉱の団塊(スズ)はそのまま或は粉砕して、露天で製鉄することができた。
  ただし、砂鉄の磁鉄鉱 に比べ品位は低く生産量も少ない。
②砂鉄(磁鉄鉱)を採取して鉄器の生産
■金穴流し
 *砂鉄による製錬は、まず鉄砂を含む山を選ぶことから始まった。この鉄砂を含む山
を「鉄穴山・神山」とい い、砂鉄をとる作業を「鉄穴流し」といい、そこで働く人々
を「鉄穴師・かなじ」と呼ぶ。
鉄穴師は砂鉄分の多い削りやすい崖を選んで山から水をひき、崖を切り崩して土砂を水
流によって押し流し、砂鉄を含んだ濁水は流し去り、重い鉄砂は沈むからこれを採って
タタラ炉に入れて製錬する。
*水田が「金穴流し」によって荒らされ、製鉄の民と農耕民の利害が衝突するのは、職
業の分化が生じ、完成した水田に土砂が流れ込むことによるもので、当初農耕の民が自
ら製鉄を行った段階では、「金穴流し」  はそのまま国づくりとなった。=オオナム
チ
 オオナムチの神を「天の造らしし大神」とするゆえんである。→倭鍛治
③4世紀後半より5世紀にかけて、帰化系技術者(韓鍛治)の渡来による技術革新と職
業の分化によって、製鉄に専従する部民と、それを管掌する氏族をも生じる。
* 古墳時代にはヤマトが大陸より多量の「鉄」を手に入れた。(⇒近つ飛鳥資料館①
参照)
*わが国の露天タタラでできる鉄の量(質)では多くの鉄製品を作ることができないが
、半島から鉄素材を手に入れることにより、鉄製品の製造(農工具、・武具)が飛躍的
に発達し、大和王権が成立することになった。
*オオナムチとアメノヒボコの争い=古いヤマトの勢力 対 外来文化を担った新しい
進歩的勢力
④やがて律令制の施行とともに特定氏族の管掌した製鉄の部民は収公される事になり、
それととも に製鉄一般の神として、金山彦が構想され、「鉄穴」から発想されたオオ
ナムチの神の製鉄に関与したかっての性格は忘れ去られた。

田中八郎氏の「大和誕生と水銀」では、
スジン天皇以前の三輪地方の発展を「辰砂・水銀」を中心にとらえている。
そして、鉄に関してはあまり触れられていない。というか鉄生産はなかったように書か
れている。
「オオタタネコ」に自分を祀らせたという記紀の意味を考えよう。
古事記には大田田根子(オホタタネコ)を大物主(オホモノヌシ)大神の祭主とした、とあ
ります。
「オオタタネコ」はオオクニヌシ(オオモノヌシ)が指名しました。

◎須恵器を作る技術をもった「オオタタネコ」は、スズ鉄か「鉄穴流し」による砂鉄か
によって鉄を作る技術を持っていたとおもわれる。
そして、原始的な砂鉄生産で「スジン」に対決したのではないだろうか?
だが半島からの鉄素材の輸入により結局は「スジン」に押されてしまう事になった。 


鉄と神
2012年 11月 20日
歴史と素敵なおつきあい2008・7・11・金曜  座学
鉄と神
                                       
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ケラ
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お台場の未来館展示
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未来館でたたらをしたときにできたケラ
2014・4・11撮影


人間と鉄との出会い

隕鉄―小惑星の核のニッケルを多く含む鉄。核の冷却速度が遅いため特異な組織をもつ
砂鉄、鉄鉱石―山火事、たき火などで鉄に還元され、偶然発見されたと考えられる。

製鉄のはじまり

鉄の精錬技術を独占していたBC20世紀ヒッタイト(トルコ)からといわれる。ヒッ
タイト帝国はBC19世紀に歴史に登場する。エジプトの全盛時代、ラムゼス2世と互
角に戦うが、BC12世紀に衰退する。それを契機に製鉄技術が広まったといわれる。

日本の製鉄のはじまりの通説

日本は、弥生時代に青銅器と鉄器がほぼ同時に流入(韓鍛冶)しており、石器時代から
青銅器時代を飛び越え鉄器時代に突入したと言われている。しかしながら、『魏志』な
どによればその材料や器具はもっぱら輸入(鉄挺・鉄素材)に頼っており、日本で純粋
に砂鉄・鉄鉱石から鉄器を製造出来るようになったのは、たたら製鉄の原型となる製鉄
技術が確立した6世紀の古墳時代に入ってからだと考えられており、たたらによる製鉄
は近世まで行われる。製鉄遺跡は中国地方を中心に北九州から近畿地方にかけて存在す
る。7世紀以降は関東地方から東北地方にまで普及する。


古代製鉄の条件

1.日本列島の地質は砂鉄が多い!
    花崗岩から構成され」花崗岩には磁鉄鉱が多く含まれる。
    日本の場合、ユーラシアプレート、太平洋プレート、
    北米プレート、フィリピンプレートがぶつかり、
    巨大な圧力によって近くの花崗岩が砕かれる。
    それでもろく風化しやすい。
    結果、磁鉄鉱が粒になった砂鉄が多く、
    世界の三大砂鉄産地といわれる。(ニュージーランド、カナダ)
     (関岡正弘)
 
2、森林が多い!
    朝鮮に木が少ないのは古代製鉄のためであると
    司馬遼太郎はいっているが、
    日本は森林を伐採し、植林することで再生が早い気候である。

3、風通しのよい丘陵!    
     鞴(ふいご)など風を送る装置が考えられる前は自然風を利用した。

4、水が多い!         
      鉧(けら)の冷却、砂鉄の鉄穴流しに利用。


鉄の発見

砂鉄―地表に近い所に砂鉄があり、その地表で土器を焼いた時、砂鉄から還元された鉄
が得られた可能性がある。
砂鉄のたくさん含まれる浜辺で焼いて偶然鉄を発見したかもしれない。

餅鉄(もちてつ・べいてつ)―東北には餅鉄という純度の高い(鉄分70%)磁鉄鉱があ
る。
大槌町(岩手・遠野、釜石に隣接)あたりに古代製鉄遺跡がみられる。
明神平では3600年前のカキ殻の付着した鉄滓が出土している。
明神平には小槌神社があり、現在の祭神はヤマトタケルだが、
もとは、古代の製鉄を普及した先人が祀られていたという。
この縄文人はお盆状の野焼き炉に餅鉄とカキ殻をいれて火をかけ、
矢鏃、釣り針を作ったらしい。
ちなみに舞草鍛冶は、岩手県一ノ瀬の舞川あたりでとれる餅鉄の製鉄が
発祥といわれる。(HP劇場国家日本より)


高師小僧(たかしこぞう)


愛知県豊橋にある高師原で発見された褐鉄鉱の塊のことである。水辺の植物の根に鉄バ
クテリアの作用で水酸化鉄の殻を作る。時を経て植物が枯れ中央に穴のあいた塊が残る
。高師原に戦前陸軍の演習場があって雨が降ると頭を出し、幼児が並んでいるようにみ
えたことから名付けられた。
全国の製鉄遺跡がみつかった場所に多くみられる。
代表的なところが諏訪地方、大阪府泉南市、滋賀県日野町別所などがある。
諏訪の川には葦が茂り、諏訪湖のほとりも葦がたくさんある。ここにスズといわれる塊
が製鉄原料として使われた

スズ=褐鉄鉱の塊=高師小僧=みすず=鳴石
「三薦(みすず)(水薦(みこも))刈る 信濃の真弓 わが引けば 貴人(うまひと)さび
て いなと言わかも」
みすずは信濃国の枕言葉で、「みこもかる」は「みすずかる」ではないのかと賀茂真淵
が唱えたことからみすずは、スズ竹のことであるといわれた。スズ竹は、篠竹で諏訪に
多く産する。
うたの意味は「この弓を引いてあなたの気を引くのは貴人みたいで、あなたはいやがる
かしら!?」という意味である。

湛え神事

諏訪大社の古い神事のことで、高鉾につけられた鉄鐸が使用される。
鉄鐸は、てったく・さなぎと呼ばれ銅鐸の原形といわれる。湛え神事は作物の豊穣を願
う神事といわれているが、スズの増殖、鈴なりに地中に生成されることを願ったのでは
ないかと考えられてきている。



諏訪大社

祭神は建(たけ)御名方(みなかた)命(のかみ)(南方刀美命)で、出雲の国譲りで納得で
きず諏訪に逃げてきた神である。
土着の洩(もり)矢(や)神(しん)を制し祭神となった。洩矢神は鉄輪を使い、建御名方命
は藤の枝を使って戦った。
藤は砂鉄を取り出す鉄穴流しで使うザルで、この話は製鉄技術の対決だったという。



古代鉄関連地名・関連語

砂鉄 : スサ(須坂)・スハ(諏訪)・スカ(横須賀)・サナ(真田、猿投)

錆 : サヒ(犀川)・サム(寒川)・サヌ(讃岐) 

鍛冶:鍛冶ヶ谷、梶ヶ谷 
         
ズク、銑鉄 : スク~ツク(筑波)・チク(千曲川)

穴に住む人、鉄クズ : クズ(国栖)・クド(九度山)  
     
踏鞴 : タタラ(多々良浜)・ダイダラ(太平山・秋田)―ダイダラボッチ伝説


吹く : フク(吹浦)・イフク(伊吹山)・吹田 
 
鉄穴流し : カンナ(神奈川・神流(かんな)川) 鉄の古語 : ヒシ~イヒシ(揖
斐川)

朝鮮語で刀 : カル(軽井沢)・カリバ(狩場)  

溶けた鉄 : ユ(湯沐村)・ヌカ(額田) 水銀 : ニ(丹生、新田)

葉山―羽山―羽黒―鉄漿 
 
芋―鋳物―イモー溶鉱炉―炭―鋳物師(いもじ)村―鋳母(けら) 


別所 : 浮囚 、製鉄地 
百足:東北地方の鉱物の呼び名―赤百足(金、銅)・白百足(銀)・黒百足(鉄)・縞
百足(その他の金属)

砂鉄を熔解し、湯出口(ゆじぐち)からノロ(鉄滓)を吐き出す。これを沸ぎ間(たぎま)
という。
最初のノロを初花という。
頭領は砂鉄を扱うのが村下、木炭投入が炭坂という。
丸三日のかかり一夜(ひとよ)という。
初日の炎の色は朝日の色、中日は昼間の色、三日目は夕日の色になる。鉄塊をコロとい
い、叩き割って鉧(けら)と銑(ずく)を分ける。
鉧は鋼鉄、銑は銑鉄の原料となる。
青と呼ばれる真砂からは、鉧が多く赤目という砂からは銑が多い。
真砂は鉧押法(けらおしほう)といい、赤目は銑押法(ずくおしほう)という。
これを踏鞴吹き(たたらふき)といい、大きな鞴を使った。
火炉(ほど)は女陰、風の吹き込み口を羽口というがそれを陽根にみたて、鉄の生産=出
産にみたてる。
ところが、人の出産は、忌避され女房が出産するとひと月近く夫も高殿(たたら)には入
らない。
女も高殿には入れず、山内にいる女性は飯炊きのみである。
番子(送風を足踏みで行うこと)で足を痛めるので「ビッコ」をひく。
火炉を見つめ、目を悪くするので目鍛冶から「めっかち」「がんち」といわれる。
口で火を吹くさまから「ひょっとこ」といわれる。


金屋子信仰―白鷺にのって出雲に降り立ち、桂の木(神木)で休んでいたところ、土地
の宮司の祖先阿倍氏に会い、製鉄を教えた。
中国地方各地に伝説があり、村下となった。

一般に女神とされる。麻につまずいて死んだので麻が嫌い。
犬に追いかけられて蔦に登って逃れようとしたが蔦が切れて落ち、犬にかまれて死んだ
ので蔦と犬は嫌い。

他説では犬に追いかけられみかんの木に登り、藤に掴まって助かったのでみかんと藤は
好き。
死体を桂の木に下げると大量に鉄が生産できるので、死体を好んだ。
自分が女性なので、嫉妬からか女性が嫌い。村下は女性のはいった湯にはつからない。

鉄・鍛冶の神


稲・・稲妻・・雷神・・餅・・武甕槌大神タケミカヅチ(宮城・塩釜神社)賀茂別雷命
(京都・上賀茂神社・葛城を本拠にした渡来人で製鉄技術を伝えた秦氏の氏神)・・建
御雷神(塩釜神社)

稲・・鋳成り(いなり)・・稲荷・・宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)豊宇気毘売(
とようけびめ))・御饌津神(みけつのかみ)・・三尻神・・三狐神・・伏見稲荷

蛇・・龍・雷・虹・菖蒲の葉・刀―建御名方神タケミナカタノカミ(大国主の子)・・
諏訪大社

蛇・・三輪山・・大物主大神(おおものぬしのおおかみ)・大巳貴神(おおなむちのかみ)
・・大神(おおみわ)神社

金山彦・・イザナミの子・・南宮大社(岐阜)・・黄金山神社(宮城・金崋山)

金屋子神(かなやこのかみ)=天目一箇神(あめのまひとつのかみ)・・金屋子神社(島根
)

一つ目小僧・・片目伝説・・一目連(いちもくれん)・・天目一箇神(あめのまひとつの
かみ)・・天津麻羅(あまつまら)・・多度大社(三重県桑名)・・天目一神社(兵庫県
西脇)

風の神・・一目連(いちもくれん)・・多度大社・・龍田神社(奈良県生駒にあり、法隆
寺の鎮守)

風の神・・蚩尤(しゆう)(武器の神・風を支配)・・兵主神(ひょうずのかみ)・・穴師
坐兵主(あなにいますひょうず)神社(奈良)・・伊太祁曽(いたきそ)神社(和歌山)・
・五十猛命(いそたけるのみこと)(木の神)


天日槍(あめのひぼこ)・・新羅の王家の者と伝えられる・・韓鍛冶集団の渡来・・出石
(いずし)神社(兵庫県豊岡・但馬国一之宮)


火・・たたら・・火之迦大神(ひのかぐつちのおおかみ)・・秋葉神社(静岡県浜松)愛
宕神社(京都右京区)

百足:三上山(天目一箇神)・赤城山(大巳貴神)・信貴山(毘沙門天)・二荒山(大
巳貴神)

東南風・・イナサー東南風は黒金をも通す(鹿島)・・武甕槌大神タケミカヅチノカミ
(物部の神)・・鹿島神宮

経津主(ふつぬし)・・星神・・鉱山は星が育成すると考えた・・香取神宮(千葉)鹿島
神宮(茨城)春日大社(奈良)塩釜神社(宮城)

山の神・・大山祇命(おおやまつみのみこと)・・大山祇神社(愛媛)三島大社(静岡)
大山阿夫利神社(神奈川)寒川神社(神奈川・古代の祭神が大山祇といわれている)

小人・・小さ子・・小人部・・一寸法師・・少彦名神スクナヒコノカミ(体が小さく大
国主とともに国造りに関わる・温泉・酒)・・大国主系、淡島系神社・・出雲大社・・
気多神社・・大神神社・・伊福部氏

河童・・川子大明神・・水天狗・・海御前(二位の尼と安徳天皇の後を追って入水し、
河童になった伝説)・・水天宮


巨人・・ダイダラボッチ・・デイタラボッチ・・たたら・・榛名湖・・富士山・・浅間
山・・筑波山・・赤城山・・浜名湖・・世田谷区代田・・相模大野の鹿沼・・鬼怒川・
・利根川・・秋田太平山・・羽黒山など。

跛者・・びっこ・・足萎え・・恵比寿・・西宮神社(兵庫県西宮)

吹く・・伊吹・・伊福部・・銅鐸・・スズ・・諏訪系神社

吹く・・できもの・・疱瘡神(牛頭天王)・・素戔嗚尊・・八坂神社(京都)

丹生タンショウ・・誕生―出産、安産の神・・丹生神社(にゅうじんじゃ)(和歌山)・
・丹生津姫(紀元前8世紀春秋戦国時代に渡来した呉の太白の血筋の姫)・・丹生津姫
神社(和歌山)

八大天狗・・山伏・・愛宕山(太郎坊、京都)・鞍馬山(僧正坊、京都)・比良山(次
朗坊、滋賀)・英彦山(豊前坊、福岡)・飯縄山(三郎、長野)・大峰山(前鬼坊、奈
良)・白峰山(相模坊、香川)・相模大山(伯耆坊、神奈川)

天狗・・秋葉山(三尺坊)羽黒山(金光坊)高尾山(飯縄権現)大雄山最乗寺(金太郎
)など
    出羽三山・・月読命月山神社・・羽黒権現出羽(いでは)神社・・大巳貴命・・
大山祇命・・湯殿山神社

鬼・・温羅(うら)・・吉備津(きびつ)神社の鳴釜神事の竈の下に温羅の首を埋めた・・
死体を南方の柱に結び付けると鉄がわく(たたら)

吉備津彦命(四道将軍・温羅伝説・桃太郎伝説)吉備津神社(岡山・備中一之宮・矢立
神事)・・大江山の鬼退治(銅鉱脈)・・鬼嶽稲荷神社稲荷大神


一寸法師・・清水寺(十一面千手観音)の音羽の滝、音羽山(金、銀、銅がとれ元清水
寺の地といわれる・京都)

坂上田村麻呂(清水寺寄進)・・鬼退治伝説の地は、東北の鉱脈が多い

湯・・湯立神事・・大湯坐―唖(ホムツワケ火持別で、火中生誕)・・白鳥が鳴いたら
唖が治った・・天湯河板挙(神(あめのゆかわたなのかみ)(白鳥を献じた人)天湯河田
神社(鳥取)・・金屋子神の乗った白鷺―客神(まろうど)・・白鳥・・餅・・矢・・矢
にまつわる神事(弓矢は釣針と同一・幸福をもたらし、霊力がある)


朝日・・日吉・・日野・・猿・・日光二荒山・・俵藤太・・三上山・・百足山・・炭焼
藤太・・淘汰―金、砂鉄を水で淘る(ゆる)

木地師・・惟喬親王・・小野・・小野氏・・小野氏の流れの柿本人麻呂・・鍛冶・・米
餠搗大使命(たかねつきおおおみのみこと)小野神社製鉄地に多くある神社

お歯黒・・鉄漿(かね)・・鉄・・羽黒山神社・・鉄を多く含むハグロ石・・鉄鉱泉・・
修験道・・出羽三山・・湯殿山神社(大巳貴神)

修験道・・鉱山・・もともと修験道は神仙薬を探し求めた(水銀、ヒ素)・・不老長寿
薬・・中央構造線

水銀―・・丹生・・丹生津姫(大陸から渡来した姉妹でのちに天照大神と丹生津姫にな
った)・・お遠敷(おにう)明神(二月堂のお水取りで若狭から水を送る神)・・罔象女
(みずはのめ)(天照大神の子で漂う神)水神・・ミズハー水刃(金属)

毘沙門天・・製鉄神・・鞍馬山(鞍馬寺)、愛宕山、信貴山(朝護孫子寺・毘沙門天・
奈良)

妙見神・・秩父神社(埼玉)千葉神社(千葉)日蓮宗の寺(妙見菩薩)

不動明王・・産鉄地に多い 真言宗、天台宗の寺院

虚空蔵菩薩・・妙見神・・北辰信仰・・虚空蔵山(佐賀、水銀・波佐見鉱山)虚空蔵尊
(高知、金)虚空蔵尊(三重、金剛証寺、銅、クロム、コバルト、鉄、ニッケル)能勢
妙見(大阪、金、銀、銅)磐裂(いわさく)神社(栃木・足尾銅山)七面天女―吉祥天―
妙見神(山梨・敬慎院・甲州金)清澄寺(虚空蔵菩薩・妙見尊・金剛薩?―ダイヤモン
ドのように堅く不変の金属・角閃石・斜長石・黒雲母・丹生など)

東北のキリシタン・・南蛮製鉄を伝え、伊達藩では産業擁護のため、キリシタンの多い
製鉄民を保護していたが、幕府に逆らえず、処罰した。(岩手県東磐井郡大籠)



参考:金属と地名、青銅の神の足跡:谷川健一 
隠された古代:近江雅和 
黄金と百足、金属鬼人柱:若尾五男 
日本古代祭祀と鉄、古代の鉄と神々:真弓常忠 
風と火の古代史(よみがえる産鉄民):柴田弘武 
鉄の民俗史:窪田蔵郎 
神々と天皇の間:鳥越憲三郎 
杉山神社考:戸倉英太郎 
古代山人の興亡:井口一幸  
弥生時代のはじまり:春成秀爾  
ながされびと考:杉本苑子
伊勢の神宮ヤマトヒメ御遷幸のすべて:大阪府神社庁 
古代の製鉄:山本博 
古代伝説の旅(電車・バス・徒歩でたどる東急沿線):新井恵美子 
靖国刀:トム岸田 
鉄から読む日本の歴史、 新羅花苑(壬申の乱異聞):宇田伸夫 
日本科学古典書(鉄山秘書):三枝博音  
まぼろしの鉄の旅:倉田一良 
古代東北エミシの謎 日本の神々:鎌田東二 
鬼の日本史:沢史生 
鶴見川流域の考古学:坂本彰  
空海と錬金術:佐藤仁 
空海の風景:司馬遼太郎 
古代史を解く九つの謎:黒岩十吾 
日本神話の謎がわかる:松前健 

HP:中央構造線と古代史を考える 
  伊太祁曾さんの風土記 
  博物館ニュース 
  坂東千年王国  
  日立金属 和鋼博物館  
  ウイキペデイア

神への信仰と製鉄

鉄の持つ力と火を仲介とした生活へのかかわりからこれを信仰の対象とすることが
多く見られる。

全国の神社の祭神等からそれを少し見ていきたい。

1)稲・・稲妻・・雷神・・餅・・
武甕槌大神タケミカヅチ(宮城・塩釜神社)
賀茂別雷命(京都・上賀茂神社・葛城を本拠にした渡来人で製鉄技術を伝えた秦氏の氏
神)
建御雷神(塩釜神社)

2)稲・・鋳成り(いなり)・・稲荷・・
宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)豊宇気毘売(とようけびめ))
御饌津神(みけつのかみ)・・三尻神・・三狐神・・伏見稲荷

3)蛇・・龍・雷・虹・菖蒲の葉・刀―
建御名方神タケミナカタノカミ(大国主の子)・・諏訪大社
蛇・・三輪山・・大物主大神(おおものぬしのおおかみ)・大巳貴神(おおなむちのかみ)
・・大神(おおみわ)神社

4)金山彦・・イザナミの子・・南宮大社(岐阜)・・黄金山神社(宮城・金崋山)

5)金屋子神(かなやこのかみ)=天目一箇神(あめのまひとつのかみ)
・・金屋子神社(島根)

6)一つ目小僧・・片目伝説・・一目連(いちもくれん)・・
天目一箇神(あめのまひとつのかみ)・・天津麻羅(あまつまら)・・
多度大社(三重県桑名)・・天目一神社(兵庫県西脇)
風の神・・一目連(いちもくれん)・・多度大社・・龍田神社(奈良県生駒にあり、法隆
寺の鎮守)

7)風の神・・蚩尤(しゆう)(武器の神・風を支配)
・・兵主神(ひょうずのかみ)・・穴師坐兵主(あなにいますひょうず)神社(奈良)
・・伊太祁曽(いたきそ)神社(和歌山)・・五十猛命(いそたけるのみこと)(木の神)

8)天日槍(あめのひぼこ)・・新羅の王家の者と伝えられる・・韓鍛冶集団の渡来・・
出石
(いずし)神社(兵庫県豊岡・但馬国一之宮)

9)火・・たたら・・火之迦大神(ひのかぐつちのおおかみ)・・秋葉神社(静岡県浜松
)愛
宕神社(京都右京区)

10)百足:三上山(天目一箇神)・赤城山(大巳貴神)・信貴山(毘沙門天)・二荒
山(大
巳貴神)

11)東南風・・イナサー東南風は黒金をも通す(鹿島)・・武甕槌大神タケミカヅチ
ノカミ
(物部の神)・・鹿島神宮

経津主(ふつぬし)・・星神・・鉱山は星が育成すると考えた・・香取神宮(千葉)鹿島
神宮(茨城)春日大社(奈良)塩釜神社(宮城)

12)山の神・・大山祇命(おおやまつみのみこと)・・大山祇神社(愛媛)三島大社(
静岡)
大山阿夫利神社(神奈川)寒川神社(神奈川・古代の祭神が大山祇といわれている)

13)湯・・湯立神事・・大湯坐―唖(ホムツワケ火持別で、火中生誕)・・白鳥が鳴
いたら
唖が治った・・天湯河板挙(神(あめのゆかわたなのかみ)(白鳥を献じた人)天湯河田
神社(鳥取)・・金屋子神の乗った白鷺―客神(まろうど)・・白鳥・・餅・・矢・・矢
にまつわる神事(弓矢は釣針と同一・幸福をもたらし、霊力がある)

14)朝日・・日吉・・日野・・猿・・日光二荒山・・俵藤太・・三上山・・百足山・
・炭焼
藤太・・淘汰―金、砂鉄を水で淘る(ゆる)

15)木地師・・惟喬親王・・小野・・小野氏・・小野氏の流れの柿本人麻呂・・鍛冶
・・
米餠搗大使命(たかねつきおおおみのみこと)小野神社製鉄地に多くある神社

16)お歯黒・・鉄漿(かね)・・鉄・・羽黒山神社・・鉄を多く含むハグロ石・・鉄鉱
泉・・
修験道・・出羽三山・・湯殿山神社(大巳貴神)

参考:金属と地名、青銅の神の足跡:谷川健一 
隠された古代:近江雅和 
黄金と百足、金属鬼人柱:若尾五男 
日本古代祭祀と鉄、古代の鉄と神々:真弓常忠 
風と火の古代史(よみがえる産鉄民):柴田弘武 
鉄の民俗史:窪田蔵郎 
神々と天皇の間:鳥越憲三郎 
杉山神社考:戸倉英太郎 
古代山人の興亡:井口一幸  
弥生時代のはじまり:春成秀爾  
ながされびと考:杉本苑子
伊勢の神宮ヤマトヒメ御遷幸のすべて:大阪府神社庁 
古代の製鉄:山本博 
古代伝説の旅(電車・バス・徒歩でたどる東急沿線):新井恵美子 
靖国刀:トム岸田 
鉄から読む日本の歴史、 新羅花苑(壬申の乱異聞):宇田伸夫 
日本科学古典書(鉄山秘書):三枝博音  
まぼろしの鉄の旅:倉田一良 
古代東北エミシの謎 日本の神々:鎌田東二 
鬼の日本史:沢史生 
鶴見川流域の考古学:坂本彰  
空海と錬金術:佐藤仁 
空海の風景:司馬遼太郎 
古代史を解く九つの謎:黒岩十吾 
日本神話の謎がわかる:松前健 

HP:中央構造線と古代史を考える 
  伊太祁曾さんの風土記 
  博物館ニュース 
  坂東千年王国  
  日立金属 和鋼博物館  
  ウイキペデイア
 古代の鉄に関する書物で雨読で紹介済みのものは以下のとおりである。
 「古代の鉄と神々」真弓常忠  神道学、神道史学、祭祀学
 「和鉄の文化」井塚政義、実業界出身、大同工業大学名誉教授
 「鉄の生活史」窪田蔵郎、明治大学専門部法科卒、鉄鋼連盟入社、たたら研究会
 「鉄の語る日本の歴史」飯田賢一、東洋大学文学部哲学科卒、技術史思想史専攻
 「たたら」黒岩俊郎東大工学部冶金学科卒、技術論、資源論教授
 そして今回は
 「古代の製鉄」山本博、九州帝大法文学部国史科卒、日本考古学協会・日本歴史学会
会員、文学博士
 昭和50年9月初版、学生社発行、借本京都市中央図書館